家電製品は私たちの生活を便利にする必需品ですが、どんな家電にも寿命があり、やがて買い替えのタイミングがやってきます。この記事では、代表的な家電製品の平均寿命や、買い替え時のポイントについて解説します。
1. 家電製品の平均寿命
消費動向調査の「平均使用年数」を参考にする
内閣府では、家電の買い替え状況などを調べる「消費動向調査」を定期的に行っています。この調査では、各世帯での主な家電の平均使用年数がわかります。
令和5年3月の調査結果は以下の通りです。
品目 |
平均使用年数 | 故障による買い替え率 |
電気冷蔵庫 | 13.0年 | 63.0% |
電気洗濯機 | 10.1年 | 74.2% |
電気掃除機 | 7.1年 | 63.3% |
エアコン | 13.6年 | 65.1% |
カラーテレビ | 10.7年 | 64.8% |
上記の表にある家電製品のうち、いずれも故障による買い替えが6割を超えていることから、「平均使用年数」が、家電製品における実際の寿命に近い数字と考えてよいでしょう。
メーカーの部品保有期間も参考にする
メーカーには家電製品の製造終了後、一定期間補修用の部品を保有することが義務付けられています。
もし使用中の家電製品が故障した場合、保有期間内であれば補修用の部品を手に入れることができますが、保有期間を過ぎると部品の入手が困難になります。
つまり、メーカーの部品保有期間を過ぎて家電製品が故障した場合、修理が難しくなり、買い替えになる可能性が高いということです。
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している補修用部品の保有期間は、以下の通りです。
品目 | 部品の保有期間 |
電気冷蔵庫 | 9年 |
電気洗濯機 | 6年 |
電気掃除機 | 6年 |
エアコン | 9年 |
カラーテレビ | 8年 |
出典:公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 別表3 補修用性能部品表示対象品目と保有期間
2. 買い替えのサイン
家電製品の寿命が近づくと、いくつかの兆候が現れます。以下のサインが見られたら、買い替えを検討するべきかもしれません。
- 性能の低下
冷蔵庫の冷えが悪い、洗濯機の脱水が効かなくなってきた、エアコンの冷房や暖房が効かないなど、性能が低下しているときは、故障や寿命の前兆です。
- 電気代の増加
古い家電は、効率が悪くなり電気代が高くなることがよくあります。特にエアコンや冷蔵庫などは消費電力が大きいので、古くなったものを使い続けると電気代の負担が増えます。
- 異常な音や振動
家電製品から異音や過剰な振動が発生する場合、内部部品の故障や劣化が考えられます。修理できない場合は、買い替えが必要です。
- 修理代が高くなる
家電製品の修理代が高額になる場合、新しい製品を購入するほうが長期的にはお得です。また、修理部品が手に入らない場合も、買い替えを検討すべきです。
3. 買い替え時のポイント
家電製品を買い替える際には、いくつかの重要なポイントがあります。
- 省エネ性能
最新の家電製品は、エネルギー効率が向上しており、長期的に見て電気代の節約になります。省エネラベルやエネルギー消費効率を確認し、エコな製品を選びましょう。
環境省が運用している『省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」』では、家電製品を買い替えた場合の電気代シミュレーションができるので、こちらを活用してみてもよいでしょう。
- 新しい機能
古い家電製品にはなかった新しい機能が搭載されていることが多いです。例えば、最新の冷蔵庫には食材管理アプリと連動する機能や、エアコンにはスマート家電機能が搭載されているものもあります。生活をより快適にする機能を確認しましょう。
- 保証期間とアフターサービス
家電製品を購入する際には、保証期間やアフターサービスの内容も重要です。長期保証や修理対応がしっかりしているメーカーを選ぶと、長く安心して使用できます。
- リサイクル
家電製品を買い替える際、不要になった製品はリサイクルに出すことが求められます。家電リサイクル法に基づき、古い家電の引き取りや処分を依頼できる業者や販売店を利用しましょう。
まとめ
家電製品の寿命を把握し、適切なタイミングで買い替えを行うことは、日常生活の快適さを保つために重要です。性能の低下や異常が見られた際は、修理と買い替えを比較し、最適な選択をしましょう。