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2024.09.27

再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)とは?その仕組みや負担額について解説

再エネ賦課金とは

再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は、日本における電気料金の一部として課される費用で、再生可能エネルギーの普及と拡大を支援するために設けられた制度です。2012年に施行された「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」と密接に関連しています。

本記事では、再生可能エネルギー発電促進賦課金の仕組みや負担額について解説します。

制度の背景と目的

日本では、エネルギーの安定供給と温室効果ガス削減を目的に、再生可能エネルギーの普及が重要課題とされています。再生可能エネルギーには、太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスなどが含まれますが、これらのエネルギー源は初期投資が大きく、一般の電力市場において競争力を持つのが難しいことから、政府は再生可能エネルギーの発電事業者を支援するための仕組みを整えました。

この制度の一環として、電力会社は再生可能エネルギーで発電された電力を一定の価格で買い取る義務があります。しかし、その買取費用は市場価格よりも高額になることが多いため、そのコストを電気を利用するすべての方にご負担いただく形で「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が導入されました。

賦課金の仕組み

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、電気料金の一部としてお支払いただきます。具体的には、使用電力量に応じた金額が加算される形となり、一般家庭から企業まで、電気を利用するすべての方にご負担いただくことになります。電気の使用量が多ければ多いほど、賦課金も増加します。

賦課金の額は、再生可能エネルギーによる発電の増加や買取価格の変動に応じて毎年見直されます。これにより、再生可能エネルギーの普及状況や市場動向が反映され、持続可能なエネルギー政策の推進が図られています。

再生可能エネルギー発電促進賦課金の計算方法

再生可能エネルギー発電促進賦課金は電気料金に含まれており、「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×使用電力量(kWh)」で算出されます。

再生可能エネルギー発電促進賦課金単価は経済産業大臣により定められ、全国一律のため、電気の使用量により再生可能エネルギー発電促進賦課金の額が変動します。

再生可能エネルギー発電促進賦課金の推移

再生可能エネルギー発電促進賦課金は2012年から導入され、毎年5月に更新されます。詳しい推移は以下のとおりです。

2020年度 2.98円/kWh
2021年度 3.36円/kWh
2022年度 3.45円/kWh
2023年度 1.40円/kWh
2024年度 3.49円/kWh

再生可能エネルギー発電促進賦課金額の値下げや値上げは、電力販売収入の変動と関係があります。

再生可能エネルギー発電促進賦課金の負担を軽減する方法

再生可能エネルギー発電促進賦課金は電気を利用するすべての方にご負担いただく費用であり、「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×月間使用電力量」で算出されます。単価は経済産業大臣が全国一律に設定するため変更することは出来ませんが、月間の電力使用量を低減する事で、負担する再生可能エネルギー発電促進賦課金の額を減らすことが可能です。

まとめ

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、電力会社が再生可能エネルギー発電事業者から買っている再生可能エネルギーへの支払いを賄うための、電力料金の一部として皆さまにご負担いただいております。

上記で説明したように、再生可能エネルギー発電促進賦課金は、「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×使用電力量(kWh)」で計算されます。単価は全国一律で経済産業大臣によって決められているため、どの電力会社でも同じです。
そのため、一ヶ月の電力使用量を抑える事や、電力会社やプランの変更などを通じて、電気料金を抑えることが大切となります。

出典:経済産業省資源エネルギー庁 FIT・FIP制度

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